先生なんて言わせない

だから、あたしは心配をかけないように微笑んだ。



「もう大丈夫だから。それより、れみちゃんの浴衣きれいいだね!」


れみちゃんは紺色に蝶々柄の大人っぽい浴衣を着ていた。



「ありがとう。でも、私はもう浴衣は勘弁だわ。普通に売っている浴衣は丈が短くて」



れみちゃんは見せるように足を軽く上げた。


言われてみれば、少し短いみたい。


下ろしている足もくるぶしが見えていた。



あたしの場合は背が低すぎて、

こんなにもって思うくらいに、おはしょりしないといけないけど、

背が高いっていうのも大変なんだな。



背が高いと、やっぱり恋をするのも大変なのかな?


たとえば、自分より背が低い人とは横に並ぶのが嫌だとか。



あたしより背が低い男の人になんて出会ったことないから、

そういう気持ちはよくわからないけど、

れみちゃんより低い男の人はいるよね。

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