先生なんて言わせない
慶太くんもそうだし。
モンモンと考えながら歩いていたが、人にぶつかって現実に引き戻された。
一言謝って前を見ると――。
あれ?
歩いてるうちに会場に着いてるけど。
周りは知らない人がいっぱいで。
――皆がいなかった。
キョロキョロと周りを見回すけど、やっぱりあたしはひとりだった。
皆とはぐれた!?
頭が真っ白になる。
ど…どうしよう!?
心細くて、瞳に熱いものが溜まる。
その時、
「高村?」
と誰かに呼ばれた。