先生なんて言わせない
第7話 先生とキスと証と!?
├ シンデレラ
長いようで短かった夏休みが明けて、最初のホームルームが行われていた。
だけど、あたしはぼ~っとしていて、何も話を聞いていなかった。
頭の中にあるのは、今朝、佐野先生に言われた言葉だけ。
『今日の放課後、体育教官室に来い。テストの罰を与えるからな』
一体、何を言われるんだろうか。
罰なんだから、当然あたしにとって良くないことだよね。
でも、何だかんだいって佐野先生は優しいから、そんなに嫌なことではないかもしれない。
花火大会のあの日だって、結局泣いてる理由も聞かずに、ただ黙って胸を貸してくれた。
佐野先生から伝わる心音のおかげで落ち着くことができたんだ。
「それでは、文化祭の劇『シンデレラ』の主役シンデレラを高村千沙、王子様を鷹井一真に決定します」
そんな中、耳に届いた言葉にあたしは固まった。
は?
主役?
何それ?