先生なんて言わせない

バサッという音が響いた。


あたしが驚きのあまりひざの上に置いたカバンを落としてしまったのだ。



「何ですか、それ」


眉をひそめながら、たずねる。



最悪だ。


今言われたことも、カバンを落としたことも。



チラッとカバンに目をやると、

ちゃんと閉まっていなかったみたいで、中身が床にぶちまけられていた。



「うれしいだろ? 一日俺と一緒で」


「意味わかんないです」



返事をしながら、足元にかがみ込んで、カバンの中身を拾い始めた。


ガタッと、先生も立ち上がった気配がする。



「文化祭は一般公開してるだろ。

一般客とトラブルを起こさないように、当日は見回りをしないといけないんだ。

でも、ひとりはつまらないだろう? だから、おまえも手伝え」

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