先生なんて言わせない

とても、長く感じた。



それを行動で破ったのは、佐野先生だった。


突然、腕を引っ張られ、佐野先生に抱き寄せられたのだ。



びっくりする間もないほどすぐに感じたのは、唇をふさぐ熱。



キスされているとわかったのは、すぐ目の前に佐野先生のきれいな顔があるから。



「…んン…ッ…」


佐野先生の左手に腰を抱えられ、先生の体がおしつけられている。



離れようともがいても、追いかけてくる唇。



それだけではない。


さっきから閉じる唇をしつこくついてくる熱。


佐野先生の舌だと直感的に理解した。



意地でも開けてなんてやらない。


そんなあたしの思いが伝わったのか、佐野先生は急に唇を離した。




そして、あたしの鼻をカプッとかんだ。