先生なんて言わせない
後ろからは委員長の「おぅ~」という返事が聞こえ、誰も止めてくれる者がいないことを悟る。
「えぇ!? どこ行くの、鷹井くん?」
ようやく足が止まったのは、あたしのクラスの教室と同じ階にある空き教室の中でのこと。
「…鷹井くん?」
いまだに背中を見せる鷹井くんを見上げると、
突然振り返った鷹井くんにかみつくようなキスをされた。
「なっ…何!? お願い、やめて」
あたしは必死に顔をそらした。
鷹井くんの手があたしの肩の上にあるおかげでできたことかもしれない。
「ごめん。でも、俺は我慢できないんだ。
友達としか見れないって言われても、高村に彼氏でも出来ない限り、あきらめることもできない」
鷹井くんの真剣な眼差しに見つめられ、あたしは身動きがとれなくなった。
動けるハズなのに動かない。
やがて、再びの口づけと共に鷹井くんの手がリボンにのびる。