先生なんて言わせない
それがあたしだって!!
「だ、だって…入学式で緊張して前日ほとんど寝れなくて、眠かったんです…」
小さな声でつぶやくように言った。
それを聞いた佐野先生は教師らしく返す。
「次からは居眠りしないように。眠くても我慢しろよ」
「はい」
あたしは恥ずかしさでいっぱいになりながらも、今度はしっかりと返事をした。
「よし。あ、もう教室に行っていいぞ。今、授業の先生には遅刻の理由は伝わってるはずだから」
こうして、あたしは痴漢騒動から解放された。
しかし、あたしは知る由もなかった。
これが、あたしの波乱な学校生活の始まりにすぎなかったことを――。