先生なんて言わせない
ここには他にも女の子がいるのに、どうしてふたりであたしをはさむわけ!?
ふたりにされたキスが頭に思い浮かび、恥ずかしい。
「で、何飲む?」
安藤先生に聞かれて、
あたしと向かいに座るあゆみちゃん、れみちゃんの三人でメニューを見た。
メニューには、「プッシーフット」「スターダスト」「ミルクセーキ」など、
あまり聞き覚えのない名前が並んでいた。
「ねぇ、もしかしてお酒置いてるの?」
なんだかカクテルっぽい名前にあゆみちゃんが反応した。
「違うわよ。これは全部ノンアルコールカクテルの名前よ」
佐野先生より早く、物知りな、れみちゃんが答えた。
「へえ、オシャレだね。じゃあ、あたしはミルクセーキ!」
「私はスターダストで。千沙は?」
どれがどんな味のカクテルかわからなくて、決められない。