先生なんて言わせない

あんぐりと口を開いたまま固まっているのだから。



一日中って聞いてないよ!?


先生だって何人かで時間決めて分担して見回りしてるんじゃないの!?



初めての文化祭がとんでもないことになりそう。






「で、佐野先生。見回りって何するんですか?」


ぶらぶら廊下を歩きながらたずねた。



「ん? 別に何も。問題なければ、普通に文化祭楽しんでていいぞ」


「本当に!?」



佐野先生の言葉にあたしは目を輝かした。



一応持ってきていたパンフレットをめくりだすと、

佐野先生があたしの顔をのぞき込みながら言った。



「最初に行くところは決まってるからな」



その顔には意地悪な笑みが浮かんでいて、なんだか嫌な予感がする。

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