先生なんて言わせない
――え!?
つまり、あたしがリレーのアンカーに選ばれたってこと!?
ようやくコトの大きさが飲み込め、血の気が引いた。
「ちょっと、待ってくださ――」
「次に、ふたり三脚を希望する人は」
あわてて五十嵐先生を止めようとしたけど、
先生は聞く耳を持たずに次の話題に移ってしまった。
信じられない。
運動音痴なのに、よりによってリレーのアンカーなんて大役をつとめるなんて!!
「はぁ~~、もう最悪」
四時間目の現国の授業のあと、両手一杯にノートを抱えて、ため息をついた。
「どうしたんだ?」
いきなり後ろから声をかけられ、びっくりしてあたしは持っていたノートを落としそうになった。
「…と、危ねぇな」