先生なんて言わせない
あたしは何だか、居心地の悪さを感じながらも、委員長と手を重ねてポーズを取った。
そして、授業が始まる。
「うわっ」
「きゃっ」
オクラホマ・ミキサーの軽快な音楽な流れる中、あたしは委員長を巻き込んで、派手に転んだ。
それを合図に、音楽が止まった。
「高村~、おまえ鈍臭いにも程があるだろ。何でフォークダンスで転ぶんだよ」
「だって、足が引っかかって」
佐野先生を見上げた。
床に下ろしたままのお尻がひんやり冷たい。
なのに、あたしの体はどんどん恥ずかしさで熱くなる。
「立って」
佐野先生が大きく息を吐きながら、あたしの右手を引っぱって立たせてくれた。
「ありがとうございます。…先生?」