先生なんて言わせない

その時、ガラガラという音とともに保健室のどアが開いた。



びっくりして入口を見ると、そこには佐野先生と樋渡さんが立っていた。


「佐野先生、樋渡さん。どうしたの?」



「…高村?」


佐野先生が眉をよせた。



――ヤバイ。


「あ、足なら心配しなくてもたいしたことないよ?」



鋭い佐野先生に、泣いてたことがバレないように、明るく振る舞った。



佐野先生は気づいたかもしれないけど、何も言わない。


その代わりに、衝撃的な事実を聞かれた。




「――え?」



「だからッ、練習の時に高村さんが転んだのは私のせいなの!

私が、足を引っかけたからッ!!」



「何で、そんなことしたの?」



あたしは冷静だったと思う。

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