先生なんて言わせない

あ、性教育って、今、性教育の授業だったからなのね。



試験前だから今日は体育ではなく保健の授業で、開かれた教科書には卵巣の絵が描かれていた。



「あ~、それでは…」


あたしが授業に取り組み出したのを確認して、佐野先生は再開させた。





「はい、今日はここまで。高村はぼーっとしてた罰な。放課後、体育教官室に来い」



ようやく授業が終わったと安心していたあたしは、佐野先生の言葉に固まった。



ま、まさか本当にふたりきりで性教育の補習!?


…まさか…ね?







「佐野先生、ここはどうするんですか?」


「あぁ、樋渡。ここはこうして――」



放課後の体育教官室では、樋渡さんと佐野先生とあたしの三人での勉強会がくり広げられていた。



コトの始まりは少し前に戻る。

< 242 / 354 >

この作品をシェア

pagetop