先生なんて言わせない
翌日、地元の駅前で緊張して立っていた。
まさか、ごほうびがこんなことになるなんて――。
やがて、一台の白い車が横づけされて、その車に乗り込んだ。
「さて、どこに行こうか?」
「ど、どこでもいいです」
声をかけてきた運転手は佐野先生で、まだ続いてる緊張からどもってしまった。
ことの始まりは昨日の放課後にさかのぼる。
意気揚々とテスト片手に体育教官室に向かったあたしを、驚きが待ち受けていた。
それは――。
「ク…クリスマスデート!?」
驚くあたしをよそに佐野先生は満面の笑みを浮かべていた。
「そ。明日デートしよう」
佐野先生は何を考えているんだろう。
だって、デートだよ?
あたし達、先生と生徒だよ?