先生なんて言わせない
だって、クリスマスに好きな人と会うんだよ?
手抜きな自分なんて見せられない。
見せるんなら、最高に可愛い自分がいい。
まぁ、元が悪ければ、着飾ってもたかがしれてるかもしれないけど。
それでも、着飾らないよりはマシだから。
少しくらいは可愛くなるハズだから。
「可愛いけど、俺以外には絶対見せるなよ」
耳もとにささやかれた言葉に、あたしの心臓が飛び出しそうになった。
「何バカなこと言ってるの」
と、気持ちを見破られないようつくろってみるけど、心の中では佐野先生にだけと決めていた。
本当にヤバイ。
あたし、いつの間にか佐野先生に本気で落ちている。
佐野先生のあたしを好きって言葉が、どこまで本心なのかもわからないのに。