先生なんて言わせない

顔が赤いのは怒りで頭に血がのぼってるせいで、上目づかいはただにらんでるだけ。


それなのに…。



「誘っ…んんッ…!?」


誘ってないと言いかけたのに、言葉を何かでふさがれて、あたしは頭が真っ白になった。




何…?



先生の顔がぼやける。

何で焦点があわないの!?



それは、そんな状態でも、整ってるとわかるその顔が怖いほど近くにあるということ。



ゾクリと背中が震えた。


「…んっ…んんッ…」


半ばパニックになりながら先生をポカポカたたく。



だけど、あたしをふさぐ何かは離れてくれない。




いくらあたしでも、もうわかる。


あたし、先生にキスされてる!



いい加減苦しッ…。

< 27 / 354 >

この作品をシェア

pagetop