先生なんて言わせない
顔が赤いのは怒りで頭に血がのぼってるせいで、上目づかいはただにらんでるだけ。
それなのに…。
「誘っ…んんッ…!?」
誘ってないと言いかけたのに、言葉を何かでふさがれて、あたしは頭が真っ白になった。
何…?
先生の顔がぼやける。
何で焦点があわないの!?
それは、そんな状態でも、整ってるとわかるその顔が怖いほど近くにあるということ。
ゾクリと背中が震えた。
「…んっ…んんッ…」
半ばパニックになりながら先生をポカポカたたく。
だけど、あたしをふさぐ何かは離れてくれない。
いくらあたしでも、もうわかる。
あたし、先生にキスされてる!
いい加減苦しッ…。