先生なんて言わせない
あたしはうれしくて、涙が込み上げてきた。
心配をかけるからと必死に我慢もしたけど、
結局、我慢しきれず、佐野先生の腕の中でわんわん泣いた。
先生はあたしが落ち着くまで、あたしを抱きしめ、
小さい子供をあやすみたいに背中をポンポンとたたいてくれた。
それがとても落ち着いて、だんだんとまぶたが重くなっていった。
ねえ、先生。
うれしくてもこんなに泣けるんだって、初めて知ったんだよ。