先生なんて言わせない
クリスマスに佐野先生とデートしたなんて夢じゃないかと思うくらい、
いつもと変わらない楽しいひとときだった。
「慶太、あゆみちゃん、神社行くよ」
「鷹井~、あいつらなんか放っておけよ」
慶太くんとあゆみちゃんを置いて行こうとする仲間くんに苦笑いしながら、
あたし達は歩き出した。
「ちょっと、待ってよ~」
「俺らは神社への行き方なんて知らないんだから、置いていくなよなぁ!」
「ハイハイ」
後ろからあゆみちゃんと慶太くんがぷりぷり怒りながらついてくる。
それを仲間くんは適当にあしらっていた。
「あいつら面白いね」
「う…うん、そうだね」
鷹井くんとは、文化祭からしばらくぎくしゃくしていたけど、
3カ月以上たった今では普通に話せるようになっていた。