先生なんて言わせない
考え込んでいると、突然、安藤先生の顔が浮かんできた。
安藤先生なら国語の教師だから、一番適任だよね。
ただ、体育祭からまともに話してなくて、ちょっと不安なんだけど…。
だって、告白の返事をうやむやにしちゃって、そのまんまなんだよね。
返事を求められるかな?
3カ月もたっているんだし、大丈夫…だよね?
「よし!」
あたしはさっそく荷物をまとめると、席を立った。
すっかり日が落ちて、薄暗くなった廊下を歩き、国語科準備室へと向かった。
「安藤先生いらっしゃいますか?」
コンコンと扉をノックしながら、声をかけた。
「はい」という返事を確認して中に入ると、
安藤先生がひとりで何かの書類とにらめっこをしていた。