先生なんて言わせない
├ 想いの強さ
百人一首大会の日を迎え、あたし達一年生は体育館に集合していた。
「はい、それでは、各グループ札を並べて~!」
司会進行役の安藤先生の声が、マイク越しに響き渡り、ドキッとした。
今日、あたしは安藤先生と向き合わなければならないのかな。
考えれば考えるほど緊張が増していき、ドキドキは止まらない。
そんなあたしをよそに、委員長を始めとする同じグループの男三人は座って札を並べ出した。
安藤先生のことを頭から追い出すため、あたしも必死に百人一首大会に集中しようとした。
始まる前に委員長から教わったんだけど、
札をどんな風に並べるかはグループの自由なんだって。
その代わり、対戦相手のグループとちょうど半分ずつに札を分けて並べる。
半分は自分達側に向けて並べられるんだから、
自分達の陣地分はなんとしても取らなくちゃね!
対戦は3対3で行われる。
1グループ6人だから、半分の50枚読まれた時点で残りの三人と交代だ。