先生なんて言わせない
佐野先生に肌を見られたと思うとすごく恥ずかしくて、
体や顔を隠そうとかけ布団を引き寄せようとする。
その時、さらに気づいた。
下は下着以外何も身につけていない。
確かに、Tシャツが大きくてミニ丈のワンピースみたいになっているから、
立ち上がっても見えないと思う。
だけど、それでも恥ずかしいよ~!
あたしは真っ赤になっているのに、佐野先生は平然とした顔であたしに制服を渡してきた。
なんだか悔しい。
子供と大人の違いを見せつけられた気がする。
「熱計って下がっていたら制服に着替えて。家まで送るから」
そう言って、佐野先生は背中を向け、
「あ、そうだ。チョコありがとうな」
佐野先生は急に振り返ったかと思うと、あたしにキスをした。
「…ん」
重ねた唇からは、お酒の苦い味とチョコの甘い味が押し寄せてきた。