先生なんて言わせない
若すぎる結婚がいずれ後悔を生むのか。
それはまだわからない。
でもね、少なくとも今は、別々の道を選ぶと後悔するの。
先生でも構わない。
きっと普通の人と付き合う以上に苦労する。
それでも、それでもあたしは――先生と一緒がいい。
「…バカ。先生なんて言うなよ。いや、言わせない」
佐野先生――いや、祐輔はそう言うとチャリッという音を響かせながら、
あたしの首に何かをつけた。
「…何、コレ?」
不思議に思って、ソレを手に取ると、
チェーンに通された銀色のシンプルなリングが輝いていた。
「…これって!?」
「俺のモノって証。本当は指にしてほしいけど、学校では無理だから」
「で、コレは俺が千沙のモノだって証」