先生なんて言わせない
笑顔がヤバい。
「うん、高村千沙だよ。よろしくね」
なんとか返事をして、れみちゃんも自己紹介をした。
それからあたしたちは、この学校の話をして盛り上がっていた。
「高村」
「はいっ!?」
いきなり誰かに呼ばれて驚いたあたしは、大きな声を出してしまった。
皆の視線が突き刺さる中、振り返ると、佐野先生が口の端を上げて笑っていた。
「おまえ昨日途中で帰ったから、今日も居残って続きな」
「ええ~!? そんなッ…」
ふたりきりでって、なんだか嫌な予感がする!!
「大丈夫? そんな大変な作業なら俺も手伝おうか?」
鷹井くんが心配そうにそう言ってくれた。
喜んでお手伝いをお願いしたかったけど、佐野先生は甘くなかった。