先生なんて言わせない
「俺さ、今日、部活の顧問さがして教官室行ったんだ。で、見ちゃったよ」
その言葉にドキッとした。
ずっと教官室にいたけど、彼は来なかった。
それって、どういうこと?
頭のなかがグルグル回る。
鷹井くんはあの時の先生のようにあたしの耳にささやく。
ただし、右耳に。
「高村ってイケない子だよね。先生とあんなことして。佐野先生が好きなの?」
「違っ…」
自分がどんな顔をしてるのか。
どんな反応をすべきなのか。
何もわからない。
「好きでもないのに、あんなことして、あんな顔してたんだ。ヤラしいね…」
鷹井くんの方を見ようと頭を動かすと、唇は鷹井くんのモノでふさがれた。
最初は軽く触れるだけ。