先生なんて言わせない
あたしってツイてない。
窓側の席じゃないから、景色を眺めることもできない。
鷹井くんの話にあいづちを打つ内に、バスは目的地へと近づく。
この宿泊研修、どうなっちゃうんだろう!?
着いたのは、山奥の街に立つ旅館。
どうやらここは温泉地のようだ。
宿泊研修で温泉に入れるなんて、結構いい学校かも。
途中で昼休憩や観光をしながら来たので、時刻は5時頃だった。
「これから夕食の6時までは自由時間だ。ただし、騒いだりして他の客に迷惑かけないように」
学年主任の言葉が響いて解散となった。
部屋は三人部屋で、あたしはれみちゃんやあゆみちゃんと同じ部屋だ。
しおりで部屋番号を確認して、向かった。
「わ~、きれいな部屋!」