先生なんて言わせない
「あ~、気持ちよかった!!」
お風呂から上がり、ジャージに着替えると、部屋に向かって廊下を歩いていた。
「あゆみ! おまえらも風呂上がり?」
後ろから声がして振り返ると、慶太くんをはじめ、仲間くん、鷹井くんがいた。
三人とも、あたしたちと同じ体操服のジャージに着替えている。
「うん、今上がったトコ」
「奇遇だな~。オレらも今上がったトコだよ」
あゆみちゃんと慶太くんが話しているのを、あたしはぼーっと聞いていた。
普段のあたしなら話に加わるところ。
だけどね、加わるってことは一緒にいる鷹井くんと話す可能性もあるわけで…。
バスの中だけで、いっぱいいっぱい。
今日はもう鷹井くんと一緒に話なんて無理!
どうしたらあのキスを忘れられるか、わからないんだもん。
「あ、そうだ。今日の夜、皆でオレらの部屋に遊びにおいでよ」