先生なんて言わせない
└ 先生のぬくもり
…何だろ。
温かい。
すごく落ち着く。
あたし、今、布団の中?
布団の中ってこんなにも温かかったかな…?
そんなことをボンヤリ考えながら、ゴロンと寝返りをうとうとした。
だけど、なぜか体が動かない。
何で…?
あたしはそっと重いまぶたを押し上げた。
そこには、きれいな顔があった。
…佐野先生?
先生のアゴに手をのばし、ザラッとした感触で、夢じゃないと気づく。
ぼやけた頭が一気にクリアになった。
何で佐野先生の顔が近くにあるわけ!?
状況を確かめようと、目を動かす。
動けないと思ったら、あたしは佐野先生に抱きしめられる形で寝ていた。