先生なんて言わせない
└ はやく、先生のもとへ
次の現国の授業の日。
朝からいつになく緊張していた。
一緒に登校してる佐野先生に呆れられてしまったぐらいだ。
「おまえなぁ…、今から緊張しすぎだろ。現国って六時間目なんだろ?」
「…そうですけど。別れてからまともに顔合わせるの初めてなんだから、仕方ないじゃないですか…」
あたしは重たい声で答えた。
「仕方ないな」
佐野先生はあたしの頭をポンッとたたくと、にっこり笑った。
「放課後、なぐさめてやるよ! それを楽しみにしておけ!!」
もうゲタ箱まで来てたから、あたしが返事する前に佐野先生は職員室へと背を向けていた。
相変わらず強引だ。
でも、放課後に先生と会える。
そう思うと、不思議と心が軽くなった気がする。
そして、ついに六時間目を迎えた。