結婚しようよ！
「あのーーーっ！！！」



木製の上品なテーブルに思い切り手を付き叫んだ。


部屋中私の声が響き渡って、



賑わってた父達みんなは静かに黙り、いっせいに私を見てる。



愛姉達も驚いてる様子。



だが、目の前にいるスーツ姿の男３人は表情一つ変えず冷静だ。



やっと静かになった所で、私も冷静になった。



着物をちゃんと整いゆっくり座り直した。一呼吸し、少し乱れた前髪を直しお茶を飲んだ。



そして気になってた話を切り出した。



「お父さん、今日は家族だけで外食する予定じゃなかったの？」



「いや〜その〜なんだ。そんな事言ったっけ？？歳をとったせいで物忘れが激しくなったなぁ…」



笑いながらとぼけてる父。



嘘をついてるってすぐにわかった。



嘘をついてる時の父はすぐに頭の後ろに手を当てる癖があるからだ。



お母さんも、タッちゃんと奥さんも気まずそうにして顔を合わせようとしない。



「ちゃんと説明してよね、お父さん！」



怒り心頭の私に観念したのか、背中を丸めて座ってる父が“はい”と返事をした。
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表紙・目次

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