結婚しようよ!
「今のその気持ちが、本当に恋なのか確かめてみない?」



「お母さん…」



やっぱりお母さんには敵わないや……



返事の代わりに私はコクンと答えた。



その様子をしっかりと見た橘家の奥さんが興奮気味に話し始めた。



「光一、光司、光。お母さんも山岡さんのお母さんと同じ気持ちよ。
貴方達には幸せになって欲しい。

いつものお見合いはただ会うだけにしたけど、
今回のお見合いはお母さんにも運命を感じるの…。

貴方達三人の正直な気持ちを聞かせて?」



今度は向こう側の三兄弟に視線が集中された。



しばらくの間、答えのない静かな空気に包まれた。


今頃になって庭先にあるししおどしの音が良く耳に聞こえてきた。











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