結婚しようよ!
強引に連れられた先は、料亭の敷地内にある庭だった。



この場所に来たけれど、お互いに会話が無いまま時間が過ぎてる。



まだ頭の中が混乱してる私は、何から話を切り出したら良いか、目の前にある池を見ながら考えてる。






「……おい。」



静かに彼が口を開く。



「はい…」



下を向いたまま静かに私は返事をした。



「好きなのか?」



彼の低めの声が、私の耳にストレートに届いたはずなのに、


顔を上げ隣に立つ彼の顔を見つめた。



その視線に応えるように彼も私の方に顔を向けた。


間近で見る彼にドキっと心が跳ね上がる。



私よりも20センチは違うだろう、スラっと伸びてる身長。



少し茶っけがかる柔らかそうな髪。



何より彼のその瞳に私のドキドキは止まらない。












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