結婚しようよ!
「お前…、本当に俺が好きなのか?」



ストレートに「好きか?」と聞かれ、返事に戸惑いと恥ずかしさで、顔が赤くなる。



そんな私を見て、わかったかのように彼は話を続けて来た。



「なら、話は早いかな…」



上手く聞き取れない位の声にもう一度聞き直した。


「俺のこと好きなら、ずっと出来るよな?俺の奥さんの“フリ”を演じるのは。」



「“フリ”?」



何か今彼は変なことを言った気がする。



ものすごーく嫌な話の流れを感じた。



ヒカルは私から視線を外し、再び私の方を見て小学生に勉強を教えるかのように順序良く話し出した。



「良いか?一度しか言わないから、よーく耳の穴開けて聞けよ?」



意味も分からず言われるがままヒカルの話しを集中して聞こうとする自分に、このあと後悔することになるなんてまだ気付くはずもなかった。















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