結婚しようよ!
着ている振袖が余計に体を重くする。



草履も歩きづらくて嫌になる。



早く家に帰って全て脱ぎ捨てたい。



そして残った時間で休日をやり直そう。



この出来事は早く忘れたい。



恋なのかどうか分からないまま終わった見合い。



少しでも気になった自分が悔しい。



早く忘れよう……








あれから私の両親とお姉ちゃん達が来て家へ帰った。



普段着に着替え、みんなそれぞれの休日を過ごす。



何か言われるかと心構えていたけど、とくに何もなかった。



夜。ベッドに入り今日一日を振り返る。



本当、慌ただしかったな…



もう一度ヒカルの顔が脳裏を過ぎる。



思い出したらまた腹が立つじゃない!私のバカッ!



「あーもう、明日には忘れてる!」



モヤモヤした自分に言い聞かせ、布団に潜り眠りについた。



今日のことは全部夢。



明日には綺麗サッパリ忘れてるんだから………
















< 37 / 48 >

この作品をシェア

pagetop