結婚しようよ!
ちょっと可愛い雰囲気の喫茶店で、お互い会話が無いままコーヒーが来るまで待った。



向かい合って座ってると、嫌でも昨日のお見合いが思い出す。



もうヒカルのことは忘れようと思ったのに、

一日でその思いも崩れるなんて…



軽いため息が出てると同時に頼んだアイスコーヒーがテーブルに置かれた。



カラカラの喉に冷たいコーヒーが染み込み安堵する。



やっと頭の中も整理がついた所で、今日のことをヒカルに問い掛けた。



「あの、お見合いなら昨日で終わりじゃないですか?」



ヒカルも冷たいコーヒーで喉が潤ったみたいで、少し軟らかい表情をしてる。



「途中で見合いから逃げ出したのはお前だろ?」



「はぁ?頭は正気?」



「正気。」



「それに、見合いのことは誰にも言わないこと、って言ってませんでしたか?」



「それはお前の反応を見たかったから言った。」



フンっと軽く笑うヒカルを私は睨んだ。



昨日は言うなって言ったのに…










< 42 / 48 >

この作品をシェア

pagetop