どうしてキミは
中川 咲
「金井莉亜さん、って、貴方ですよね?」
「そ…そうだけど?」
な…何?
「どういうつもり?」
え…?
廊下に響く声。
周りの人がジロジロ見てるのがわかる。
「なにが?」
あたしまでイラ立ってきた。
「涼太、取ったんでしょ?」
あ。
なんとなく、内容つかめた。
「あたし、彼氏いるから」
「それがムカつくのよ!」
「え?……」
「彼氏いるのに、涼太にも好かれて!貴方にはこっちの気持ちが分かってない!」
そう言うと、涼太の彼女は泣き出してしまった。
「どうゆうこと?」
想……
「想が好きだよ?でも、あたしがこの子の彼氏取ったって…」
「莉亜…悪いけど…」
え?
想!?
行っちゃうの?
だって、あたしだって、わかんないよ……
「想!」
「じゃ」
え……
行っちゃうの?
待ってよ…!
あたしが悪いの?
キーンコーンカーンコーン
授業ベルが鳴った。
「あの…もう、始まっちゃうから…」
「貴方…昼休み、屋上に行きなさい」
あたしが悪いの?
あたし、涼太に何もしてないよ?
授業中、大っキライな数学だったから、前の席の涼太に今日の事を書いて手紙を渡した。
【ごめんな。俺のせいで…。それと、想はヤキモチ妬いてんじゃない?】
ヤキモチ……
だと嬉しいけど…。
そして、昼休みを迎えた。