モノクローム
それから、どれくらいの時間が経っただろうか。
口の中にある飴はすっかり溶け、変わりに喉が潤いを求めていた。
元々、面倒くさがりの私は手錠を掛けられた事により、更に1つの行動を取る事にも面倒になった。
水を飲むことを諦め、携帯を取り出して開く。
時計は午後20時10分を記し、メモリは一個しか残っていない。
恐らく、先程の着信が原因だろう。
どうしよう…。
一旦、携帯を閉じて考えた。
主人には連絡したから、もうその必要は無い。
自分の家族には何年も連絡取ってないどころか、縁切り状態なので言う必要は無い。
友達…。そう呼べる人は誰も居ない。
私には話す人など誰も居ない。そんな事は分かりきっていた。
でも、誰かに話したかった。
誰かに聞いて欲しかった。
ホントは誰かに頼りたくて、仕方なかったのかもしれない。
再び携帯を開くと、メールを知らせる小さな手紙が画面下に見えた。
【元気?】と一言だけの素っ気ないメール。
それは、前に私が「逃げ出したい」と言った人だった。
私は何て返事をしようか迷って、結局「元気だよ。」と送る。
数分もしない内に返信が来た。
【そっか。】と、またも素っ気ない文章に、「うん。」とだけ返す。
また数分もせずに返事が来る。
【いま、何してんの?】
「別に何も」と文章を作り上げた所で、30秒後に切れる合図が響く。
とっさに私はそれを消して、「監禁された。」と文章を直して送信した。
口の中にある飴はすっかり溶け、変わりに喉が潤いを求めていた。
元々、面倒くさがりの私は手錠を掛けられた事により、更に1つの行動を取る事にも面倒になった。
水を飲むことを諦め、携帯を取り出して開く。
時計は午後20時10分を記し、メモリは一個しか残っていない。
恐らく、先程の着信が原因だろう。
どうしよう…。
一旦、携帯を閉じて考えた。
主人には連絡したから、もうその必要は無い。
自分の家族には何年も連絡取ってないどころか、縁切り状態なので言う必要は無い。
友達…。そう呼べる人は誰も居ない。
私には話す人など誰も居ない。そんな事は分かりきっていた。
でも、誰かに話したかった。
誰かに聞いて欲しかった。
ホントは誰かに頼りたくて、仕方なかったのかもしれない。
再び携帯を開くと、メールを知らせる小さな手紙が画面下に見えた。
【元気?】と一言だけの素っ気ないメール。
それは、前に私が「逃げ出したい」と言った人だった。
私は何て返事をしようか迷って、結局「元気だよ。」と送る。
数分もしない内に返信が来た。
【そっか。】と、またも素っ気ない文章に、「うん。」とだけ返す。
また数分もせずに返事が来る。
【いま、何してんの?】
「別に何も」と文章を作り上げた所で、30秒後に切れる合図が響く。
とっさに私はそれを消して、「監禁された。」と文章を直して送信した。