モノクローム
真実
黒川 秋
自分とは全く反対の色で、同じような季節の名前を知る半年ほど前、俺はあるサイトでチャットを良く利用していた。
利用してたと言っても、もっぱらROM専門で、そこに集まる奴らの人間観察をしてるだけ。
秋、リリーと出会ったのは偶然だった。
その日、深夜まで飲んでふらつきながら家に帰り、いつものようにチャットを開くと数人しか居なくて、「なんだ、つまんねぇの」なんて呟いてタバコを口にしたまま、ずっと眺めていた。
そのうち段々と人数が減って「俺も寝よっかな」と、また独り言を呟いてタバコに火を点けて手を戻した時、使う筈のないボタンをクリックしていた。
:シロさんが入室しました。
まずい。
そう思って、慌てて電源を切った。
だけど、何となく気まずくなってチャットに戻って、取りあえず残ってた人に謝った。
シロ:ごめん、間違えた。
リリー:荒らし?
「はぁ?!」
思わず声に出して言った自分が恥ずかしくなって、また電源を切ってしまった。
その後、また戻ろうかと考えたけど、結局止めて眠ることにした。
なんかムカツク。
これがリリーの第一印象だった。
自分とは全く反対の色で、同じような季節の名前を知る半年ほど前、俺はあるサイトでチャットを良く利用していた。
利用してたと言っても、もっぱらROM専門で、そこに集まる奴らの人間観察をしてるだけ。
秋、リリーと出会ったのは偶然だった。
その日、深夜まで飲んでふらつきながら家に帰り、いつものようにチャットを開くと数人しか居なくて、「なんだ、つまんねぇの」なんて呟いてタバコを口にしたまま、ずっと眺めていた。
そのうち段々と人数が減って「俺も寝よっかな」と、また独り言を呟いてタバコに火を点けて手を戻した時、使う筈のないボタンをクリックしていた。
:シロさんが入室しました。
まずい。
そう思って、慌てて電源を切った。
だけど、何となく気まずくなってチャットに戻って、取りあえず残ってた人に謝った。
シロ:ごめん、間違えた。
リリー:荒らし?
「はぁ?!」
思わず声に出して言った自分が恥ずかしくなって、また電源を切ってしまった。
その後、また戻ろうかと考えたけど、結局止めて眠ることにした。
なんかムカツク。
これがリリーの第一印象だった。