金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜
俺がそう言うと、高部センセーは目を細めて俺を見た。
「おまえなあ、この俺をアシに使おうなんぞ、100年早いわ」
しかし、俺はニヤリと微笑んで言い放った。
「ふうん。
センセーさ、春にばったり街で会ったこと覚えてるよね?
アノ話、松本さんに言ったら、どう思うかなあ……」
すると、高部センセーは顔を真っ赤にした。
「おまえ、俺を脅す気か?」
松本さん、というのは、高部センセーの母方のお祖母さん。
松本さんは俺の亡くなった祖父さんの知り合いで、そのつてで高部センセーにカテキョに来てもらうようになったという経緯があった。
高部センセーが松本さんの前では"いい孫"を演じていることは知っていた。
俺はしれっと答えた。
「月曜の午後4時、野川駅前。
キーは後で渡しとくから、よろしく」