金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜

綾音は、わざわざ電車で隣の駅まで行って、繁華街の奥にあるコーヒーショップに私を誘った。


それでも綾音は店内をキョロキョロ見回し、知り合いがいないか確かめた。


一体なにごと?


私は少し不安になりながら、綾音が口を開くのを待った。


「ここなら大丈夫ね」


綾音はやっと話し始めた。


「奈良坂ってね、父親がいないのよ。
お母さん、未婚の母なの」


「未婚の母?」


初めて聞く話だった。


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