金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜

え、じゃあ、奈良坂君も自分の父親が誰なのかは知ってるってこと?



「それまでは誰にも言わずずっと秘密にしてたんだけどね。
本人が来ちゃったら、内緒にもできないでしょ」


奈良坂君のお母さんはそう言って苦笑した。


「そうだったんですか……」


「でもね、大輔、きょとんとしてたわ。
小さい頃はね、お父さんが欲しいって駄々をこねたこともあるんだけど、中1にもなるとね。
もう今さら、って感じだったみたい」


私は頷いた。


「多少、複雑な思いはあったと思うのよ。
だけど、いきなり現れた見ず知らずの外国人に、自分が父親だって言われても、ピンとこなかったみたい。
大輔、あんな容姿だけど、中身は生粋の日本人だから」


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