金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜
そこで初めて高部先生が口を挟んだ。
「大輔君は、お父さんを恨んではいないんでしょうか?」
すると、奈良坂君のお母さんは少し考えてから口を開いた。
「恨むという気持ちは、父親にではなく、私に対しては持ったかもしれないわね」
「そうなんですか?」
「私は彼と結婚するつもりは全くないの。
ちょっと事情があってね。
その気持ちは妊娠がわかった当時も今も変わらない。
でも、そう大輔に話したら『結婚するつもりもないのに、なぜ俺を産んだんだ』って、言われたことはあるわ」
「そうですか……」
高部先生は何か考え込むようにまた口を閉ざした。