金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜

なんだかふわふわした足取りで、私は奈良坂君に連れられるまま電車に乗り、繁華街に出た。


映画館に向かったけれど、残念ながら、ちょうどいい時間のものがなかった。



「どうする?」


奈良坂君に聞かれ、ウーンと考えながら答えた。


「どうしても見たい映画があるわけじゃないし、私は映画じゃなくてもいいよ」


そう言うと、奈良坂君は「じゃ、とりあえずどっか入ろう」とまた歩き出した。


私としては、こうして奈良坂君と一緒に街を歩いているだけでも十分嬉しい。


うきうきと体まで浮き上がりそう。


< 384 / 432 >

この作品をシェア

pagetop