金髪王子〜イケメンハーフは同級生〜

それに気づかない奈良坂君じゃない。


「鏡が、どうかしたか?」


私と違って鋭いんだ、奈良坂君は。


こういうときは、その長所すらもうらめしい。


私はしぶしぶ白状した。


「さっきね、通りかかった女の子たちに言われたの。
あのカップル、つりあってないって。
女の方、ダサいって。
でも、そのとおりだなって思って。
私なんかが奈良坂君の隣にいていいのかなって……」



すると、奈良坂君は私の腕をひっぱって、ミラーの正面に並んで立たせた。


つりあってないカップルが映る。


目をそらしたい現実。


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