心泥棒!!
電車に入ると今日も人が
少ない。
「うちら離れてまってるね♪」
「う、うん。」
断れなかった自分を責めても
もう遅い。
今日の海はいつもと同じはずなのに
なぜかくすんで見えた。
ぽんぽん
叩かないでほしかった。
でも
無視して嫌われたくない。
「よっ!」
振り返れば彼。
おはようと言おうとしたとき
「あれ?心じゃん?」
その展開が一番嫌。
なんで・・・。
邪魔しないで・・・。
「誰?」
「心の同級生のあさひっていうます!」
「おなじく~みくです」
「まおです☆」
「ヨロシク。」
彼は笑顔で接していた。
早く着いてよ。
時間は嘘はついてくれなくて。
「アドレス教えて~」
「彼女いるんですか?」
「今度あそぼ~」
私の知らない彼の事をすらすら
聞き出していくあさひ達。
悔しかった。
この場にいたくない。
私は電車を飛び出した。