心泥棒!!


なにが・・・・

「あさひちゃんが・・・・」

少し上がった息を整えながら彼はいった。

「あの子が言ってた。
心は俺のこと好きで、俺のこと何も知らないから
電車の時間ずらしたって。」

「あさひが?」

「俺のこと好き?」

「えっ?」

「俺ひどい奴だよ?」

それは初めて会った日に何となく気付いてた。
でも
好きなんだもん。

何故か好きになったんだもん。


「好きだよ。」

言った。

「私、あなたのこと好きだよ。なんでかは
分からないけど・・・。」



顔を上げて彼を見た。



「俺も。初めて見た日から。」

「・・・。」

涙が出た。

あの電車から見る海より
澄んだきれいななみだ。
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