心泥棒!!

「あの、さっきから裕子ってみんな言うんですけど
誰なんですか?」

はるさんはこっちを見た。

「ゆとの元カノだよ。ついでに・・・・」


バチンッッッッッッッ

はるさんが視界からいなくなる。

あーあと遠くから宏一さんの声が聞こえる。

「って・・・。」

はるさんが頬を押さえた。
唇から血が垂れる。

「裕斗・・・・。なにして・・・。」

「ふざけんなよっ!!!!!!」

聞いたことのない声。

別人のようだ。

「お前に俺の過去言う権利あんのかよ!」

「別に・・・。」

「なら・・軽々しく言うんじゃねぇ。」

裕斗がひたすらはるさんを睨む。

「なにまじできれてんの?
俺はお前がどんだけ酷いやつか心ちゃんに教えてやったんだろ?」

「やめとけっ。」

宏一さんがはるさんを止める。
でもはるさんは
止めようとしなかった。

「自分と血のつながったお姉ちゃんに手出して
挙げ句の果てに死なせた
最悪なやつだってことをなっ!」

え?

お姉ちゃん?

死なせた?


「お前なああああああ!」

裕斗がまたはるさんを殴ろうとする。

どういうこと?

「心ちゃん。こいつに殺されるぜ。
裕子さんにそっくりだから。」


そういうことか・・・。
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