心泥棒!!
さようなら
あれから1週間がすぎようとした
土曜日の午後。
「ごめん、あさひ!!!」
「遅いよ、心さん。」
あさひに誘われて、あさひの知り合いの
バンドのライブに行くことに
なった。
気分転換にちょうどいいし、
最近あさひと遊ぶこともなかったから
行くことにした。
「さあ、行くぞ!!!!」
途中、喫茶店に寄ったり、服を見たりして
ライブハウスに着いた。
まだ人はあんまり来てない。
「心!!一番前に行けそう♪」
「あさひ、ちょっと落ち着きなさい。」
「だって、だって~。」
「だって?」
「大好きな春さんに会えるんだよ♪」
「はる?」
「うん。STREETのボーカルのはる♪」
STREET。
あさひが好きなバンドの名前。
ボーカルのはる。
嫌な予感が胸によぎった。
まさか・・・・・。
そんなわけない・・・・。
「もしかして・・・。」
「心?」
「・・・。な、なんでもないよ。」
そんなわけない。
今日は、忘れるために来たんだから。
「飲み物買ってくるね~♪」
うきうきしているのが背中で分かる。
あさひの笑顔は誰よりもかわいい。