6年目の愛してる
終業式の今日。
遅刻しそうな俺は駅から高校までの道をダッシュしていた。
あれ?あのショートヘアーは?もしかしてゆりあ先輩かな?
前を俺と同じように走っている女の子。
ゆりあ先輩、昨日といいよく走ってるなぁ。
「ゆりあせんぱ・・」
校門の前でゆりあ先輩に追いついた俺は、ゆりあ先輩の視線の先に今井先輩がいるのを見て、声がかけられなかった。
今井先輩が三年のマドンナ的存在の女の子の肩を抱いていて、それを見たゆりあ先輩は足を止めた。
やっぱり、ショックなんだろうか。
ショックだよな。
好きな人が他の女の子と歩いてるところなんて。
俺なら、そんな思いさせないのに。
「ん?!俺なに考えてんだ・・・」
ははは~ん。
いやいや、ゆりあ先輩が今井先輩を好きなことを知ってるから!うん、そういうことだな!