6年目の愛してる
「分かってる!!」
いつの間にか怒鳴るような声を出していた。
「分かってるから…。全部、私のせいだもん。不妊症で、子供出来なくて…。こんな奥さん呆れられて当たり前だよ。コウくんの夢、何も叶えられなくてッ…。」
涙がさっきよりも勢いをます。
「コウくんを解放してあげなきゃって…思ったけど、ダメなの!!私、コウくんがいないとダメなの…。他の女の人を好きになってもいいから、他の女の人に触れていいから……捨てないで…。」
本当は、好きになって欲しくなんかない。
本当は、触れて欲しくなんかない。
他の女の人を見てほしくない…。
でも、コウくんに捨てられるくらいなら我慢できるから。