6年目の愛してる
*side.コウ*
「キスマークとか気づいてたよな?」
キスマークの誤解を解こうとしたら。
「分かってる!!」
紗絵が声を荒げた。
「分かってるから…。全部、私のせいだもん。不妊症で、子供出来なくて…。こんな奥さん呆れられて当たり前だよ。コウくんの夢、何も叶えられなくてッ…。」
紗絵が泣きながら必死に訴える。
紗絵、そうじゃないんだよ。
俺の夢は・・・紗絵と幸せを作ること。
それが、紗絵をそんな気持ちにさせていたのか。
「コウくんを解放してあげなきゃって…思ったけど、ダメなの!!私、コウくんがいないとダメなの…。他の女の人を好きになってもいいから、他の女の人に触れていいから……捨てないで…。」
紗絵・・・。
紗絵の気持ちが痛かった。
紗絵をそんなにまで追いつめて、俺は何をしてたんだろう。
まだ24歳の紗絵。
その身体に、どれだけの苦しみと悲しみを背負ってきたんだろう。
俺は、決めてたじゃないか。
紗絵と付き合う時も、
結婚する時も。
もし子供が出来ても
紗絵を一番に愛するって。